思案中

あなたの暇つぶしになれば

今週のお題「納豆」 納豆嫌いが毎晩納豆を食べた結果。

 子供の頃は嫌いだった。失礼を承知で言おう。まず、見るからに食い物では無いと判断できる(ホント失礼ですみません)。

 正方形をした白いパックの中に、向こう側が透けるほど薄いシルクの様なシートを上から被り、そいつは真ん中に鎮座している。この段階はまだセーフだ。だが奴は、その整ったパッキングからは想像できないような、とてつもない糸と粘りを隠し持っていた。

 それは、上にかかっているシートをとった瞬間に分かる。食って良いのかと判断に迷う見事な「粘り」。そしてちょっとクサい。シートを捨てたいが、粘りがどこまでも続く。普通なら切れるであろう細さになっても、よぉく見るとまだ糸が頑張っている。その糸がとてつもないヌルヌルを伴っていることは言うまでも無い。箸で切ろうとしても今度は箸にくっついて、また糸が意図せず伸びる。

 本体をかき混ぜた場合はこの比ではない。信じられんくらいの糸と粘りが飽和し、プクプクとした泡ができる。どうして糸と粘りが泡になるのか。訳が分からないので、子供の頃の私にはちょっとしたホラーだった。

 子供は何でもよく食べた方が良いのは分かる。しかし、幼いながらに私は本気で訴えた。「納豆はいけません」と。マジ勘弁して下さい感が伝わったのだろう。「好き嫌いをするな」という親の教育方針であったが納豆については許してもらえた。なので私は納豆と縁の無いお子様でいられた。

 そんな私が社会人になり、納豆を毎晩食べるようになったのだが、その効果が半端ない。もちろん気のせいかもしれない。だが気のせいにしてこの感激を無いものにするのは少しためらわれる。なのでここに記します。

 

今週のお題「納豆」

 

 冒頭でも述べたが、納豆を食べるメリットは半端じゃない。少し興奮できるほどだ。私は今後一生納豆を食べる所存だ。だって食べない理由がないのだ。健康になるし、安いし。

 納豆が嫌いな人の気持ちは痛いほど分かる。たしかに、見た目と食感と匂いと粘りと糸はヤバい。だが、動物にはある程度の不快に対して、馴れるという順応が働き、生きる上での無駄なストレスを軽減する優れた能力がある。なので、納豆が嫌いだった過去の自分と苦手な人にはこうアドバイスしたい。馴れるまで我慢して食え。

 この世は格差社会だ。納豆を選択せずに、他の食材で納豆から得られる栄養をカバーできる人も沢山いるだろう。むしろ、その人達は納豆を食べる人よりももっと良い栄養と効能を得ているかもしれない。だが、私のような平凡な人間には、納豆を食えと、声を大にして言いたい。あれだけ安くて体に良い食材なんて、なかなか無いからだ。もし、納豆より安くて栄養がある食材を知っている博学でインテリな方がいらっしゃるのなら教えていただきたいところだ。良質なタンパク質と脂質、食物繊維、そして納豆特有の納豆菌やナットウキナーゼはなんかよく分からんが体に良さそうだ。このような体の機能を整えてくれる食材が低価格で手に入るというのに、それを見た目と食感と匂いと粘りと糸で、選択肢から外すとは。愚か極まりない行為ではないか。

 納豆の素晴らしさを書けることに感謝し、納豆を食べたことによって私の体に起きた変化かつ食べるメリットを書いていく。まぁ、ネットで調べればわんさかでてくるありふれた内容だが。

 

 1つめ 肌が綺麗になる。

 今では当たり前になりつつある男のスキンケア。とはいえ女性に比べたらその意識は低いだろう。鏡で自分の肌の状態をチェックとか、そういうことはしていない。しかし、納豆を食べて1ヶ月、そんな風に特別肌を観察するわけではない私だが、ある日顔を洗うときにあれ?と気づいた。なんか肌が綺麗になってないかと。具体的にどう変化したかは分からないが、なんか肌が綺麗になった気がした(説得力が無くて申し訳ない)。

 原因は納豆では無いかもしれない。夏が終わって紫外線は減ったろうし、仕事のストレスが最近減ったし、そういうのかもしれない。だが、顔の皮脂が減ったような、少し凹凸が減ったような、そんな気がした。思い当たる原因を考えたが、私生活では納豆以外にコレと言った原因が思い浮かばない。

 これが事実にしろそうでないにしろ、こういうので大事なのは、自分がそう思えるかどうかだ。もし事実なら、文句なしに喜べる良い事だ。自信が持てるだろう。仮に、実は変化が無かったとしても、自分が自分の肌が綺麗になったと思えれば、それによって自信が持てるかもしれない。だったらそれはそれで良いじゃないか。

 そんな訳で無理矢理だが、納豆の効能1つめは肌が綺麗になるだ。

 

 2つめ お通じが良い。

 便秘を経験したことがある。なんか腹に詰まっている。体が重い。腹が張る。実に不快だ。当たり前だ。なぜならお前の腹の中には大量のク○が詰まってるんだからな。つまり、図らずとも自家製ウインナーを作ってしまった時は、体調も気分もすこぶるよろしくないということだ。

 本来排出されるべき人間の消化物のなれの果て。うん○。水分も栄養も人間が生きるために必要なものが吸い取られもう用済みとなった、本来感謝すべきだができれば早くお別れしたい奴。便秘中は腹が張ってて苦しいから、食事が思い切り楽しめないし、屁が臭くなる(下品ですみません)。多くの人類が悩んでいる身体サイクルの不調だ。

 社会人になってからは、しょっちゅう便秘に悩んでたとかそういうわけでは無いが、納豆を食べるようになって、腸の動きが良くなった気がする。いや、気がするじゃなくて良くなった、と言いきれる。食物繊維と植物性の脂質のおかげか、納豆菌やナットウキナーゼとかいうイマイチよく分からん有難そうな奴らのおかげかは定かで無いが、明らかにお通じが良い。1つめで紹介した、肌が綺麗になったというのは腸が良くなったからかもしれない。体のサイクルが整ったようで気分も良い。コロナが流行ってから免疫云々、そのためには腸が大事だ云々と言われている。いまこそ日本人は納豆食べるべきだと、私はここに声明を発す。

 

 3つめ 筋肉がつく。

 完全な主観だが、なんか筋肉の付きが良くなった気がした。特に力こぶの部分。めっちゃカットがでるようになった。人間の体はそんな簡単には変わらないことくらいは、粗末でおよそトレーニーを自称できないような、細い体だが筋トレ歴は10年の私でも知っている。だから、気のせいの可能性も十分にある。でも、「あれ、変わったな。」と感じた。最近扱える重量も増えたし、でかくなったような気がするし、なによりカットが出た。おかげで上腕二頭筋に煮卵が付いてるような見た目になった。しかも日に日にハッキリしてきている。これも1つめの肌の件と一緒だ。変化が無いよりは全然良いだということだ。努力で大事なのは変化の実感だ。おかげで努力にさらに身が入り成果が出やすくなってしまえば、勘違いから生まれた成長サイクルの出来上がりだ。だから私はこれからも納豆信じ、納豆を食す。もし筋トレしてて納豆を食ってない人がいたら、納豆を食べてみて欲しい。効果は保証する。もしも効果がなかったらごめん。

 そんなわけで、3つめの納豆の効能は、筋肉がつく、だ。

 

 たった3つの効能を、しかも真実か否か判断つきづらいものを、ダラダラともったいぶって書いてしまった。でも、これだけ書きたくなるくらい、私の納豆に対する感激は大きかったのだ。食ってない人には強く勧める。

 ちなみに、私は相変わらずあの切れそうで切れない糸がうっとうしく苦手なので、熱々の汁物を食べる前に食すことにしている。あのネバネバは熱に弱いのか、箸を熱い液体でまとうと、糸がたやすく切れる。同じようにヌルヌルした口の中も、熱い汁物でサッパリさせることが出来る。口周りについたのは、ティッシュで拭くしかないかな。

 

 さっきも納豆を食べたばかりだ。馴れると割と味も良い。だから、「納豆嫌いだけど納豆食べられるようになりたい」と言う人は、我慢して食べ続けてみて欲しい。ことわざでもあるだろう。良薬は口に苦しだ。きっと好きになる。最近はスーパーの納豆を全種類制覇しようとしているところで、食べた限りでは、熊のイラストがついた味噌タレの納豆と、わさびタレのついた納豆が美味しかった気がする。なので、それを食べてみても良いかもしれない。

 

 そんなわけで、納豆を食べたら起きた結果でした。あなたも納豆ライフで幸あれ。